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住民税均等割の表示区分が変わる?ASBJによる「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」等の見直し

目次

Last Updated on 2025年8月22日 by ロジメイト編集部

 

はじめに

ASBJ HP:https://www.asb-j.jp/jp/wp-content/uploads/sites/4/20250605_09.pdf

2025年6月5日、企業会計基準委員会(ASBJ)が「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」の改正に向けた検討資料を公表しました。この改正で影響を影響を受ける1つの項目が、住民税均等割の表示区分の見直しです。長年にわたり定着してきた会計処理が変更される可能性があり、多くの企業に影響を与える論点となっています。

改正の背景と目的

なぜ今、改正が必要なのか

現行の法人税等会計基準は、個別の税金ごとにその取扱いを示す構成となっています。このため、新しい税金が創設されるたびに基準の改正等を検討する必要があり、柔軟性に欠ける面がありました。

そこで今回の改正では、「課税対象利益を基礎とする税金」という原則的な定義を設け、その定義に該当する税金を補足文書で列挙する方式への変更が検討されています。

これにより、新たな税制が導入されても、より柔軟な対応が可能になることが期待されています。

課税対象利益を基礎とする税金の定義

改正案では、以下のような定義が提案されています:

「企業が稼得した課税対象利益を基礎として、税法の定めに従い算定される税金」

この定義に基づくと、以下のような分類になります:

定義に該当する税金

  • 法人税
  • 地方法人税
  • 住民税(法人税割)
  • 事業税(所得割)

定義に該当しない税金

  • 住民税均等割
  • 事業税(付加価値割・資本割)

住民税均等割の取扱いはどう変わるか

現行の取扱い

現在、住民税均等割は以下のように処理されています:

住民税均等割の現状の会計上の取り扱い

  • 損益計算書の「法人税、住民税及び事業税」として表示
  • 税引前当期純利益の下に記載
  • 税効果会計の対象外

改正後の可能性

新たな定義に照らすと、住民税均等割は「課税対象利益を基礎とする税金」に該当しないため:

改正された場合の住民税均等割の会計上の取り扱い

  • 「販売費及び一般管理費」などに表示
  • 税引前当期純利益の上に記載
  • 引き続き税効果会計の対象外

この変更により、税引前当期純利益の金額が変わることになります。

企業への具体的な影響

財務諸表への影響

財務諸表への影響

  1. 損益計算書の表示変更

    • 税引前当期純利益の金額が変動
    • 営業利益にも影響する可能性
  2. 税率差異注記への影響

    • 法定実効税率と実際の税負担率の差異分析に影響
    • 注記の計算方法の見直しが必要
  3. 財務指標への影響

    • ROE、ROAなどの収益性指標
    • 税引前利益率などの分析指標

現行維持の可能性も検討中

ASBJの慎重な姿勢

ASBJは実務への影響を考慮し、現行の取扱いを維持する可能性も含めて検討を進めています。その理由として:

ASBJの慎重な姿勢

  • 長年の実務慣行:多くの企業で定着している処理方法
  • 変更コスト:システム改修など実務負担が大きい
  • 国際的整合性:IFRSなど国際基準との関係
  • 利用者への影響:財務諸表利用者の分析への影響

経過措置の可能性

仮に変更する場合でも、以下のような配慮が検討されています:

  • 十分な移行期間の設定
  • 実務上の負担を軽減するための経過措置
  • 比較情報の取扱いに関する特例

まとめ

住民税均等割の表示区分変更は、一見すると技術的な会計処理の変更に見えますが、多くの企業の財務報告に広範な影響を与える重要な論点です。

現時点では、実務への影響を考慮して現行の取扱いを維持する可能性も残されていますが、企業としては両方のシナリオを想定した準備が必要です。

経理・財務部門の方々は、今後公表される公開草案を注視し、実務の観点から積極的に意見を発信することで、より実効性のある会計基準の策定に貢献できるでしょう。

改正の動向については、ASBJのウェブサイトで最新情報を確認することをお勧めします。企業会計の透明性と比較可能性を高めるための重要な改正として、引き続き注目していく必要があります。


参考資料

本記事は2025年6月時点の情報に基づいています。最終的な基準については、今後公表される正式な文書をご確認ください。


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