トップコラム一覧【経理のプロが解説】どっちを選ぶ?バクラクカード vs UPSIDERカード|経理効率化で失敗したくない人必見

バックオフィス支援

【経理のプロが解説】どっちを選ぶ?バクラクカード vs UPSIDERカード|経理効率化で失敗したくない人必見

目次

Last Updated on 2025年7月31日 by ロジメイト編集部

はじめに

近年、法人向けクレジットカード市場において、従来型のカードとは一線を画す新しいサービスが登場し、注目を集めています。その代表格が「バクラクビジネスカード」「UPSIDERカード」です。両カードともに年会費無料、優れた経費管理機能を特徴とし、スタートアップから大企業まで幅広い企業に支持されています。

しかし、いざ導入を検討すると「どちらを選べばよいのか」「自社にはどちらが適しているのか」と迷われる経営者や経理担当者の方も多いのではないでしょうか。表面的なスペックは似ているように見えても、実際の機能や使い勝手、企業フェーズとの相性には大きな違いがあります。

本記事では、これら2つの法人カードの詳細な比較を通じて、企業規模に応じた最適なカードをご提案します。


基本スペックの比較

クレジットカード・カード決済02 | フリー素材ドットコム

それぞれ、基本的なスペックは下表のとおりです。

ここで目を引くのは、UPSIDERカードの方が、バクラクビジネスカードよりも利用限度額が大きいという点です。

資金繰りが厳しいスタートアップや中小企業においては、この点を重視しUPSIDERカードをメインに利用されている方が多い印象です。

比較ポイント
年会費永年無料永年無料
利用限度額最大1億円(実績5億円以上)最大10億円
ポイント還元率最大2.0%キャッシュバック1.0%〜1.5%
発行日数最短3営業日最短即日
追加カード無制限発行可能・無料無制限発行可能・無料
国際ブランドVisaMastercard
審査通常審査・保証金プランあり通常審査・プリペイド対応
ETCカード対応非対応
旅行保険付帯なし付帯なし

機能・特徴

バクラクカードの特徴

バクラクカードの最大の特徴は、法人支出管理プラットフォーム「バクラク」との完全連携にあります。カード利用後の証憑回収、稟議との紐付け、経費の申請処理、仕訳作成がシームレスに行われ、経理担当者の作業負担を大幅に軽減します。

主な機能の詳細は下記のとおりです。

主要機能

  • 稟議との自動紐付け機能
    カード決済と事前申請した稟議を自動で関連付け、承認フローとの整合性を確認
  • 証憑回収の自動化
    利用者がスマホで領収書を撮影するだけで、AI-OCRが自動で内容を読み取り、決済データと照合
  • リアルタイム利用通知
    カード利用の瞬間に管理者・利用者双方に通知が届き、不正利用の早期発見が可能
  • 不正利用防止機能
    独自のリスク判定システムにより業界水準0.051%を下回る低い不正利用率を実現
  • 通貨限定機能
    海外取引時に特定通貨のみでの決済を制限し、為替リスクや不正利用を防止
  • 会計ソフト連携
    freee、マネーフォワードクラウド等との双方向連携で仕訳データの自動取り込みが可能

UPSIDERカードの特徴

UPSIDERカードは「上場のための法人カード」というコンセプトを掲げ、成長企業のニーズに特化した機能を提供しています。比較ポイントで挙げた通り、高い利用限度額が特徴の1つではありますが、その他経費処理を効率化する機能も充実しております。

主要機能

  • プリペイド・後払い両対応
    与信審査に不安がある企業は前払い、安定企業は後払いと柔軟に選択可能
  • 260以上のサービスでの利用先制限機能
    Facebook広告専用、Amazon専用など用途を限定してリスクを最小化
  • Slack連携による証憑管理
    Slackのスレッドに領収書画像を投稿するだけで、自動的にUPSIDER管理画面に反映
  • 3種類のカード
    実店舗用リアルカード、オンライン専用バーチャルカード、広告費専用カードを使い分け
  • 即座の利用停止・復活機能
    管理画面からワンクリックでカードの利用停止・復活が可能で、紛失時も安心
  • 電子帳簿保存法・インボイス制度対応
    法改正に完全対応し、適格請求書の要件チェックも自動実行

機能の比較まとめ

機能
支払い方式後払いのみ後払い・プリペイド両対応
カード種類リアルカード・バーチャルリアル・バーチャル・広告専用
証憑管理自動回収・AI照合スマホ撮影・Slack連携
稟議連携自動紐付け対応基本機能なし
利用制限カード別・用途別設定260以上サービス別制限
会計ソフト連携freee・マネーフォワード等6つの主要会計ソフト
リアルタイム通知
電子帳簿保存法対応
インボイス制度対応

個人的には、UPSIDERのSlack連携による証憑管理がおすすめです!!

経費精算業務は従業員からのレシート回収に一苦労しますが、Slack連携を導入したことにより回収率が格段によくなりました。

各カードのメリット・デメリット

上記を踏まえ、以下にそれぞれのカードのメリット・デメリットを考えてみたいと思います。

公式HPから引用

バクラクカードのメリット

  • 経理業務の完全自動化
    法人カード利用後の証憑回収、稟議との紐付け、仕訳処理が自動化され、経理担当者の作業時間を75%削減。月末の締め作業が劇的に効率化される
  • 業界最高水準のキャッシュバック率
    最大2.0%の還元により実質的な経費削減を実現。年間1,000万円利用で最大20万円の経費圧縮効果
  • 強固なセキュリティシステム
    不正利用率0.051%未満と業界平均を大幅に下回る。AI技術による不正検知と即座の利用停止機能で企業資産を保護
  • バクラクシリーズとの完全連携
    稟議、経費精算、請求書処理、勤怠管理との一元管理により、バックオフィス業務全体のDXを推進
  • 中小企業向け最適設計
    10,000社以上の導入実績を持ち、従業員1名から大企業まで柔軟に対応する管理機能

バクラクカードのデメリット

  • 利用限度額の制約
    最大1億円でUPSIDERと比較すると低め。大規模な設備投資や広告費には限界がある場合も
  • システム依存度の高さ
    バクラクプラットフォームに依存するため、他社システムとの連携に制約。既存システムからの移行コストが発生する可能性
  • 従来型法人カード特典の不足
    旅行保険や空港ラウンジなど、従来の法人カードに付帯する特典が限定的
  • 経理自動化の限界
    バクラクカードと比較すると、稟議システムとの連携や証憑管理の自動化レベルが劣る

バクラクカードのメリットはバクラクシリーズとの連携にあります。経費精算がシステム上含め業務に組み込まれているため、処理がスムーズに回るのが大きなメリットとかと思います。

公式HPから引用

UPSIDERのメリット

  • 圧倒的な利用限度額
    最大10億円という業界最高水準で、大規模投資や急激な事業拡大にも対応。1取引1億円まで決済可能
  • 柔軟な支払い方式
    プリペイド・後払いの選択により、資金繰りに応じた運用が可能。審査に不安がある企業でもプリペイドで即座に利用開始可能
  • 上場企業からの高い信頼
    新規上場企業の20%、累計60,000社以上が導入。東証上場企業での採用実績も豊富で信頼性が高い
  • 最速の発行スピード
    最短即日でカード利用開始。緊急の資金需要や事業機会に迅速対応
  • 成長企業特化機能
    Web広告費での高還元率(最大1.5%)、260以上のサービス別利用制限など、スタートアップのニーズに特化
  • 運用コストゼロ
    何枚発行しても年会費無料。従業員増加時のコスト増加を気にせず規模拡大が可能

UPSIDERのデメリット

  • 対象企業の限定
    個人事業主・フリーランスは利用不可。法人格が必須のため、事業形態によっては選択肢から除外
  • 車両関連経費の制約
    ETCカード非対応のため、営業車両や配送業務での経費管理に別途対応が必要
  • 従来型特典の欠如
    旅行保険、空港ラウンジ、コンシェルジュサービスなど、従来の法人カードで重視される付帯サービスが少ない
  • 経理自動化の限界
    バクラクカードと比較すると、稟議システムとの連携や証憑管理の自動化レベルが劣る

UPSIDERカードのメリットは何といっても利用限度額が高いことです。高い限度額と柔軟性により、急成長するスタートアップや上場準備企業の多様な資金ニーズに対応し、事業拡大のボトルネックを解消する強力なパートナーとなります。

企業規模別推奨カード

スタートアップ企業:UPSIDER

ロジメイトくん

以下の理由でスタートアップにはUPSIDERがおすすめです!

何といっても限度額が大きいのが素晴らしい!!

おすすめ理由

  • プリペイド機能により審査通過の不安を解消
  • 急速な事業拡大に対応できる高い利用限度額
  • 上場準備企業の実績が豊富
  • 最短即日発行で素早い事業開始をサポート
  • Web広告費用での高還元率(1.5%)がスタートアップの主要支出に最適

(それ以降のステージの)中堅企業:バクラクカード

ロジメイトくん

システムによる効率化の効果が高まる中堅企業には、バクラクシリーズの導入に付随した、バクラクカードの使用がおすすめです!

申請~仕訳計上までシステム上のシンプルな流れで行えます!!

おすすめ理由

  • 経理業務の効率化が最重要課題となる規模での真価発揮
  • 稟議システムとの連携で内部統制の強化
  • 多店舗展開時の証憑管理の自動化
  • 中小企業に多い複雑な経費処理の簡素化
  • 従業員数増加時の管理負担軽減

まとめ

バクラクカードとUPSIDERカードは、それぞれ異なる強みを持つ優秀な法人カードです。

UPSIDERカードは「成長」「スピード」「柔軟性」を重視する企業に最適で、特にスタートアップ企業や急成長中の企業には第一選択となります。

バクラクカードは「効率化」「統制」「自動化」を重視する企業に最適で、特に経理業務の負担軽減や内部統制強化が必要な中小企業以上の規模で真価を発揮します。

どちらも年会費無料でリスクが少ないため、企業の成長段階や業務課題に応じて選択、または段階的に移行することも有効な戦略です。最終的には、自社の事業フェーズと重視する機能を明確にした上で判断することが重要です。

バックオフィス業務でお困りなら「ロジメイト」へ!

記帳業務を含むバックオフィス全体の課題解決をお考えでしたら、ロジメイトをご検討ください。

ロジメイトは、経験豊富な公認会計士がリードする総合的なバックオフィス支援サービスです。記帳代行か内製化かの判断から、最適なシステム選定、業務フロー設計、運用サポートまで、企業のフェーズに合わせて包括的にサポートいたします!!

ロジメイトの特徴

  • 公認会計士による専門的なサポート
  • 企業ニーズに合わせた最適なSaaS選定・運用支援
  • 創業期からIPO準備企業まで幅広い実績
  • 自走運用までの徹底したサポート体制
ロジメイトくん

我々が丁寧にサポートいたします!ぜひお問い合わせください!!

お問い合わせボタン
詳細はこちら
サービス内容や料金体系について
詳しくご説明いたします。
サービス詳細
お問い合わせはこちら
ご不明点やご相談がございましたら
お気軽にお問い合わせください。
お問い合わせ

この記事の執筆者

西川隆将

西川 隆将

公認会計士
2015年に北海道大学在学中に公認会計士試験に合格。大学卒業後、EY新日本有限責任監査法人での監査業務を経て、株式会社BearTail(現TOKIUM)にて事業会社での実務経験を積む。その後、PwC税理士法人で税務業務に従事し、公認会計士として登録。2025年7月に「ロジメイト」を立ち上げ、監査・事業の各領域での豊富な経験を活かしたサービスを提供している。北海道帯広市出身。

コラム一覧へ戻る